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満月をまって」 みんなの声

満月をまって 作:メアリー・リン・レイ
絵:バーバラ・クーニー
訳:掛川 恭子
出版社:あすなろ書房 あすなろ書房の特集ページがあります!
税込価格:\1,760
発行日:2000年
ISBN:9784751519813
評価スコア 4.73
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みんなの声 総数 14
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14件見つかりました

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  • 100年前の格差社会

    バーバラ・クーニーの晩年作品と聞いてしみじみと読み返しました。
    メアリー・リン・レイが環境保護活動家と知って得心しました。
    生計を立てている人たちがいました。
    満月の日をまって作ったかごを町に売りに行く父親に尊敬と、そして町への憧れを持った少年がいました。
    少年の夢と誇りを砕くような事件が起こりました。
    街に連れて行くことを渋っていた父親が、やっと許してくれた同行。
    街の見るものすべてに感動して帰る道すがら、自分たちのかごが、そして自分たちの存在がとても悲しい屈辱を受けたのです。
    100年前の格差社会。
    都会からさほど遠くない地域に暮らしていた人々に対して、町の住人たちは蔑みを持っていたのです。
    少年は町と自分の暮らしに失望します。
    けれど、馬鹿にされたかごが、頑丈であることを知って少年は失いかけた誇りを取り戻します。
    まさに環境保全のお話です。
    差別することで優越感を持とうとしている町の人間に対してのアンチテーゼです。
    地味な作品ではあるけれど、高学年以上の子どもには、胸張って伝えたい話です。

    投稿日:2011/10/07

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    3
  • 想像していなかった展開に驚きました。

    • 西の魔女さん
    • 30代
    • ママ
    • 福岡県
    • 女の子14歳、男の子10歳

    『満月をまって』というタイトルと
    表紙に描かれた美しいお月様を見て
    幻想的な物語を想像しましたが
    どちらかといえば ノンフィクションに近いお話でした。

    山の中でトネリコという木からかごを作りあげ
    それを売ることで生計を立てて暮らしている家族のお話です。
    満月の夜を待って
    父さんはかごを売りに町へ出かけるのですが
    (月明かりに照らされて 道が明るいからだそうです。)
    ぼくをなかなか連れて行ってあげないんです。
    でも 9歳になったある満月の晩 
    とうとうぼくも連れて行ってもらえることに。
    この後の場面で やっと
    父さんがぼくを連れて行けなかった理由が分かりました。
    意外な展開に驚いたのと 
    こんな差別は日本だけではないんだ…と思ったりも。
    住んでいる場所や 就いている職業で受ける
    なんとも理不尽な差別に心が痛くなりました。
    今は残っていない伝統工芸の存在を 
    後世に遺すためのお話なのかもしれませんが
    私にとっては 人権を考える一冊ともなりました。
    でも 救われたのは
    父さんも 仕事仲間の人たちも
    自分達の仕事や暮らしに
    自信と誇りを持っていることがわかったこと。
    そして ぼくもこの仕事を受け継ぐ決心をしたと思われる場面で
    締めくくられていたことです。
    美しい満月をめでることができる秋の夜に読んだら
    このお話の世界にどっぷりと浸ることができそうですよ。

    投稿日:2008/09/09

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    3
  • かご作りへの想い

    • レイラさん
    • 40代
    • ママ
    • 兵庫県
    • 男の子14歳、男の子11歳

    原題は『Basket Moon』、この味わいも体感してほしいです。
    100年以上前に、アメリカの山間でかご作りを専業としていた人々のお話。
    満月になると、近くの都市、ニューヨーク州のハドソンにかごを売りに行くとうさん。
    ぼくは一緒に連れて行ってもらえることを夢見て、一生懸命、
    父の技術を学び、やがて、かご売りにも同行させてもらいますが・・・。
    親子で静かに伝えられる技術は、丈夫で美しいかごとなって今も残っているのです。
    木と対話する作業風景は美しいですね。
    ぼくの、少年らしい葛藤も、我が子を知っているだけに
    共感してしまいます。
    かごと満月が静かに呼応して、人々の様子を
    クーニーの絵が優しく描き出してくれています。
    地味な絵本ですが、是非手にとって味わってほしいです。

    投稿日:2007/09/27

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    2
  • 深く考えさせられる1冊。

    伝統工芸品を学ぶ小学校中学年から高学年くらいのお子さんの方が理解しやすい絵本に思います。
    お話の内容は伝統工芸品のことだけでなく、職業差別などへも及びます。
    それゆえに考えさせられる1冊に思いました。
    周りからの評価ではなく、自分に誇りを持つ。
    すごく大切なことに思いました。
    世の中には色々な人がいて平気で暴言を吐く人も。
    これは100年前も現代も変わらずなんですよね。
    そんな言葉たちそんな人たちにも負けない芯の強さを心に持って生きていきたい、そんなことも考えさせられました。

    投稿日:2021/01/15

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    0
  • 父の背中を追うということ

    • きゃべつさん
    • 40代
    • ママ
    • 埼玉県
    • 男の子11歳、男の子8歳

    読み聞かせの講座で高学年向きの本として紹介されました。

    籠を編んで暮らしている一家のお話です。お父さんは満月の夜にカゴを持って街へ出かける。
    それについていきたいと少年は思っていたが、なかなかお父さんは許してくれない。ある日、とうとう許可が出て一緒について行った少年は、人種差別・職業差別という悲しい現実を知ることになります。

    少年が、葛藤を乗り越えて籠あみの職を継ごうと思うまでのストーリーが
    とても丁寧に静かに描かれています。

    日本では、なかなか父親の背中を見て育つということが難しくなっています。でも、この作品の少年の心は、だれもが思春期に抱える葛藤でもあると思います・。
    これから自分の進む道を考えて行かなければいけない息子に、ぜひ読ませたいと思いました。
    今はまだ少年の葛藤がわからないかもしれないけれど、必ず心に響く作品になるはずです。

    投稿日:2012/11/27

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    0
  • 雄大な姿を通して。

    • まゆしおんさん
    • 30代
    • ママ
    • 千葉県
    • 女の子9歳、男の子7歳

    かごを編む労力は計り知れない。
    物静かなお父さんの、かごを編む姿は雄大であろう。
    大きな自然がほかに勝るもののないかごを作り、無言の中にも
    言葉にならないものを伝えてくれる。
    父の姿を通して、心が育つ少年のように・・・。
    わが子には何が伝えられるか・・・自分を省みたくなった。

    投稿日:2011/01/30

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  • 大切なこと

    満月がとてもきれいな夜は、散歩にでかけたくなります。この絵本のとうさんは、どんな気持ちで夜道をあるいたのでしょう。
    はじめてぼくが町にでかけた帰り道、ひどい言葉をあびせかけられます。どなっているのは、いい年をした大人です。
    それと対照的なビックジョー。ぼくとビックジョーの会話は、しみじみします。

    100年も前に作られたかごは、丈夫でいまでも使われているそうですが、作る人がもういない、というのが残念です。
    大切なことをいろいろ教えてくれる、とてもいい本だなと思いました。

    投稿日:2010/06/26

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  • 少年の心の揺れがよく出ている作品です

    • てんぐざるさん
    • 40代
    • ママ
    • 埼玉県
    • 女の子14歳、女の子9歳

    表紙に書かれている「BASKET MOON」が原文の題名なのでしょうか?
    そうすると、「邦訳」というのは、直訳ではないんだな〜と、改めて感じました。

    年頃の子どもだと、どうしても、理想とか、プライドとか一番熱く自分の中に沸き起こってくる時期なので、
    それまでは立派な仕事だと思っていたのに、「他人にばかにされるような仕事をしている」を、感じてしまった時の、心の揺れは大変なものなんですね。

    この絵本は、少年の目を通して資源の少ない山間で暮らす貧しい人たちを淡々と描いています。
    なかなか味わいのあるお話です。
    高学年以上から大人が読むと、しっとりと、伝わってくるものがあると思います。

    投稿日:2009/10/09

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  • 心に残る絵本

    • マイッカさん
    • 30代
    • ママ
    • 北海道
    • 男の子6歳、女の子5歳

    ちょっとまだうちの子には内容が難しいかなと思いますが、絵がすばらしいので見ているだけでもいいだろうと思ってます。

    偏見や強い心、生き方、いろいろ考えさせられました。
    この絵本の中の本物のカゴを見て見たいです。


    最近クーニーの本を何冊か読みました。どれも良いお話で大人の方が夢中になってます。

    投稿日:2009/08/19

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  • 美しいクーニーの絵

    100年以上前のアメリカで、自然の中でひっそりと生活していた、かご職人の家族のお話です。

    山の中にある木を使って、手てかごを編み上げ、明るい満月に照らされながら山から町へいき、かごを売り、食料を買い込み、山へ戻る。そしてまたかごを編む。

    このシンプルさ、自然との共生、スローライフな部分が現代の読み手を惹きつけるように思います。
    さらに、この本には、たくさんの考えされられるテーマがあるように思います。

    5歳の娘にとっては、文章は長めでわかりにくい部分もあり「どうして?」「どうして?」と幾度が聞き返されました。

    親としては、物語の細かい部分よりもまず、少し前まで人はこんな生活を、何年も何百年も続けてきたんだよ・・ということを、わかってほしいなと思います。

    それから、自然とは、親子とは、職業とは、仕事とは、伝統とは、など、いろいろなことをこの本から学び取ってくれたら、と思います。

    もともとは、「にぐるまひいて」という絵本の挿絵が気に入って、同じ画家(バーバラ・クーニー)の本をみてみたい、と買ったものです。
    偶然の一致か、2つの絵本で描かれる生活はとてもよく似ています。
    ぜひ読み比べてみてください。

    わたしはいつか、このかご職人が作った実物のかごを見てみたいと思います。

    投稿日:2009/07/16

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