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あっぱれ!われらのてんぐさま

あっぱれ!われらのてんぐさま(フレーベル館)

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夏の雨

パパ・60代・埼玉県

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夏の雨さんの声

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自信を持っておすすめしたい クリスマスの奇跡を呼ぶには                   投稿日:2019/12/24
マドレーヌのクリスマス
マドレーヌのクリスマス 作・絵: ルドウィッヒ・ベーメルマンス
訳: 江國 香織

出版社: BL出版
この絵本には「クリスマス」とついていますが、どちらかというと「マドレーヌ」シリーズの中の一冊といった方がいいかもしれません。
 それほど「マドレーヌ」シリーズは世界中の子供たちに愛されてきた女の子だからです。
 作者の¬ルドウィッヒ・ベーメルマンスは1898年にオーストリアで生まれています。16歳でアメリカに渡って絵の勉強をして、パリで「マドレーヌ」シリーズのインスピレーションを得たと、この絵本の巻末には書かれています。
 1962年に亡くなっていますから、もう随分昔の人ですが、今でも絵本作家として人気があります。

 人気の秘密はその絵の独特なタッチでしょう。
 現代のコミックエッセイに描かれるような軽い線描のタッチが国籍を超えた人気を生んだともいえます。
 きっと彼のタッチで勉強した現代のイラストレーターも多いのではないかしら。

 さて、物語はクリスマスの前の夜のことです。
 マドレーヌが暮らしている古い屋敷には12人の女の子が一緒に暮らしていますが、なんとその夜にはみんな風邪をひいて寝込んでいます。ただ「おちびで、ゆうかんな」マドレーヌだけが元気で、みんなの世話をしてあげています。
 そこに絨毯売りがやってきます。彼はなんと魔術師でもあるんです。
 なので、この魔術師の術で女の子たちは魔法の絨毯にのって家族のところに行ったりします。
 クリスマスの夜って、なんだかそういうミラクルなことが起こりそうな気がします。
 マドレーヌという「おちびで、ゆうかんな」女の子の魔法かもしれませんが。
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自信を持っておすすめしたい 寒い日でも心が温まる絵本です                  投稿日:2019/12/22
ふたりの雪だるま
ふたりの雪だるま 作・絵: M.B.ゴフスタイン
訳: 谷川 俊太郎

出版社: すえもりブックス
ゴフスタインの絵本は、この絵本の出版元である「すえもりブックス」の代表だった末盛千枝子さんの著作で初めて知りました。
 この絵本の奥付を見ると、発行は1992年11月となっています。
 残念ながら「すえもりブックス」は今はもうありませんが、現在は「末盛千枝子ブックス」として別の出版社から復刊されていたりします。

 この本の表紙見返しと裏表紙見返しには出版社でつけられた内容紹介とミニ解説がついています。もしかした、末盛千枝子さん自身が書かれたものかわかりませんが、この見返しも必読です。
 その中にゴフスタインがアメリカのミネソタ州で生まれたとあって、そこはカナダと接する北国で、彼女がここに住んでいた頃は毎年のように11月の弟の誕生日にはその冬初めての大雪が降ったようなことも書かれています。

 そんな思い出がゴフスタインにこの絵本を描かせたのかもしれません。
 「十一月に入って、今年はじめての猛吹雪のあと」という文章とともに、窓から外をを眺めている姉と弟が描かれています。
雪が積もったあと、二人は外にでて雪だるまを作ります。
 お姉さんは弟に「大事なのは新しい雪の上を転がすこと、そうしないと泥や小枝がくっついちゃうよ」と教えます。
 きっとゴフスタインも小さい頃にそんな風に弟に教えたのでしょう。
 でも、二人がこしらえたのは一つの雪だるま。
 お姉さんはそのことが気になって、ついにがまんできなくなって外にでます。
 もうひとつの雪だるまをつくるために。

 この絵本では姉弟だけでなく、家族がとてもよく描けています。
 だから今でもゴフスタインは人気のある絵本作家なのだと思います。
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自信を持っておすすめしたい おならはどんな音?                     投稿日:2019/12/15
おならうた
おならうた 原詩: 谷川 俊太郎
絵: 飯野 和好

出版社: 絵本館
この絵本のもとになっている谷川俊太郎さんの「おならうた」は1981年に刊行された『わらべうた』に収録された詩で、ふざけているようなタイトルですが、ちゃんと岩波文庫の『自選 谷川俊太郎詩集』にも収録されている、りっぱな作品です。
 この絵本で原詩とあるように、谷川さんの詩は八行詩、つまり八つの「おなら」がうたわれているのですが、それに三つの「おなら」をつけたのは絵を描いた飯野和好さんです。

 谷川さんの詩そのものが、ふざけているようで、そこに言葉のリズムが躍動しているように、飯野さんの絵もとても生き生きとしています。
 飯野さんの絵はかわいい系とか美しい系とは全然違いますが、絵そのものにライブ感を感じます。
 飯野さんの絵に出て来る大人も子供もなんだか怖くてきたなくてありえないのですが、それでいてそんな人は必ずどこかにいるような感じがします。
 そして、何よりも、それは谷川さんもそうなのですが、書いて(描いて)いる本人たちが一番楽しんでいるような気がします。

 私が好きな「おなら」は「りっぱに べ」。
 これは飯野さんが書いた「おなら」で、卒業証書らしきものをもった子どもに駆けよる造り酒屋のおかみさんの姿を描いています。
 今どきこんな親子はいないでしょうが、飯野さんはきっとニタニタしながら描いたに違いありません。
 あなたなら、どんな「おなら」をしますか。
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自信を持っておすすめしたい 六人六色  投稿日:2019/12/08
こどもかいぎ
こどもかいぎ 作: 北村 裕花
出版社: フレーベル館
 六人の子供たちが真面目な顔をして集まってきました。
 男の子が三人、女の子が三人。
 名前を書いておくと、けんた、りく、まさと、あゆみ、みか、らん。
 この六人が集まって何をするかというと、絵本のタイトルの通り、「こどもかいぎ」です。
 しかも、今回の会議のテーマは「おこられたときは どうしたら いいか」。
 進行役はしっかりもののけんたくん。ちなみに、けんたくんの好きな食べ物はカレーだそうです。
 この六人、けんたくんがしっかりものと性格付けされているように、六人それぞれ性格が違います。
 性格が違うので、意見も違うし、その反応もまちまちです。
 それぞれの発言内容から、どんな性格なのかあててみるのも面白いかもしれません。
 六人の性格と好きな食べ物は一番後ろに描かれています。
 逆に、そんな性格ならどんな発言をするのか、想像してみるのも楽しいかも。
 大事なことを言い忘れていました。
 この六人は「わかばえん」という保育園の園児みたいです。
 そんな子供たちですが、「おこられたときにどうしたらいいか」という意見は結構ズルかったりします。

 この絵本を描いたのは北村裕花さん。
 NHKEテレで放映されていた「ヨーコさんの“言葉”」の絵を担当していた絵本作家さんです。
 六人の子供たちの表情を見るとわかりますが、北村さんの描く人物はどんな人であってもちっとも憎めません。
 怒っていても泣いていても、どこかで人間の温かさが描かれているように感じます。
 北村さんが六人の子供たちをどう描きわけているのか、それもこの絵本の楽しみです。
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自信を持っておすすめしたい いわむらかずおさんの愛がつまった動物たちがかわいい       投稿日:2019/12/01
りんごがひとつ
りんごがひとつ 作: いわむら かずお
出版社: 童心社
この絵本の作者いわむらかずおさんは、森で暮らす14ひきのネズミの家族を描いた人気絵本「14ひき」シリーズの作者です。
 あの絵本がいつまでも人気が高いのはネズミたちの表情が豊かであるのもその一因だと思います。
 それになんといっても、かわいい。
 きっといわむらさんの愛情があのネズミたちにいっぱい注がれているのだと思います。

 それはこの絵本でも同じです。
 自分の顔くらい大きくて真っ赤なりんごを持った女の子の、なんとかわいいことか。(これが表紙です)
 女の子の名前は、なっちゃん。
 ある日、なっちゃんは大好きな丘の上でおやつのりんごを食べようとしています。
 ところが、たいへん! なっちゃんはりんごを丘のてっぺんから落としてしまいます。
 ころころ転がるりんごを追いかけるなっちゃん。
 途中にいたうさぎさん(この子もかわいい)、それにりすさん(この子もかわいい)にもお願いして、みんなで転がり落ちていくりんごを追いかけます。
 そして、ふもとにいたくまさんの背中にあたってとまります。
 なっちゃんたちもどすん、どすん、どすんととまります。
 くまと聞くと怖い動物のように思いますが、いわむらさんの描くくまはちっとも怖くなんかありません。くまもかわいいのです。

 りんごの赤以外はほとんど彩色されていません(おしまいの方で夕日が赤く描かれていますが)が、それがこの絵本のとっても素敵な効果をもたらしているように思います。
 ひとつのりんごをなっちゃんたちがどんなふうに分け合ったでしょうか。
 きっと、くまさんのことがもっと好きになりますよ。
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自信を持っておすすめしたい わたし、大根の味方です                     投稿日:2019/11/24
大根はエライ
大根はエライ 作・絵: 久住 昌之
出版社: 福音館書店
大根は一年中店頭に並んでいますが、一番おいしいのは晩秋から初冬にかけての時期。
 なので、俳句の世界では大根は冬の季語。
 「歳時記」にも詳しく載っていて、「中央アジア原産とみられるアブラナ科の二年草」から始まり「主に地下の多汁・多肉質の長大な根を食べるが、葉も食べられる」とつづく。
 まだ解説文は続くから、「歳時記」の担当者は相当の大根好きをみた。
 そして、ここにもいた、大根好きが。
 作者は谷口ジローさんと『孤独のグルメ』を共著した漫画家久住昌之さん。
 その大根愛たるは相当なもので、この絵本一冊、まるまる大根づくしなのである。

 大根を人間にたとえると「まじめでおとなしい感じ」とあります。
 色白だし。まっすぐで姿勢もいいし。
 でも、大根の料理といえば、その数は数えきれないほど。
 まずは大根おろし。しかもこれは色んな料理と合います。
 サンマにも添い寝しますし、たまご焼きにも。
 うーん、節操がない。(なんだか東海林さだおさん風になってきた)
 生ではサラダ、煮てもいい。
 大根は相手の味を引き立てるだけで、自分はでしゃばらない。
 大根に見習わないといけないことばかり。

 料理の話ばかりではない。
 「大根役者」の語源とか主だった品種といったまじめな(料理もまじめでしたが)話もちゃんと描かれている。
 こんなおいしい大根の絵本を本屋さんだけで売るのはもったいない。
 ぜひ八百屋さんでも売って欲しいもの。
 そうしたら、今夜はおでんという家が増えそうだ。
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自信を持っておすすめしたい 俳句だって絵本になる                     投稿日:2019/11/22
みどりとなずな
みどりとなずな 俳句: ねじめ 正一
監修・構成: 五味 太郎

出版社: クレヨンハウス
「俳句絵本」です。
 書かれているのは俳句ですが、句集ではなく「俳句絵本」です。
 俳句が絵本になることよりも、俳句さえ絵本にしてしまう絵本の懐の深さに驚いてしまいます。
 俳句を詠んだのは詩人で『高円寺純情商店街』で第101回直木賞を受賞した作家でもある、ねじめ正一さん。
 絵を描いたのは絵本作家の五味太郎さん。
 五味さんといえば独特のタッチで数多くの絵本を描いてきた有名な絵本作家ですが、この絵本はそんな五味さんのタッチではなく、ねじめさんの俳句をじゃますることなく、それでいて俳句と寄り添いながら、絵だけ見てても俳句の世界に入れる、そんな世界観になっています。

 この絵本で詠まれている俳句は全部で30句。
 ねじめさんのお母さんの看護のさまが詠まれています。
 例えば、こんな句。「病院の母と二人の雛祭り」。
 ベッドで酸素マスクをつけている母を見るのは息子として辛いでしょうが、こうして俳句になればどこか突き抜けた感じがします。
看護の甲斐空しくお母さんは2017年9月に亡くなります。
 その時詠んだ句。「九月の酸素マスクの母が逝く」。
 こんな句が続きます。「みどりの名酸素マスクの紐に書く」。
 タイトルの「みどり」はお母さんの名前だったのです。

 では、「なずな」。
 お母さんが逝ったあと、ねじめさんに孫娘が生まれます。
 その子の名前が「なずな」。
 詠んだ句が「母逝ってなずな生まれる宇宙あり」。
 そんないのちの句に五味さんは色と形だけで応えている、そんな「俳句絵本」です。
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自信を持っておすすめしたい 心が動くとおなかが減るものだ                  投稿日:2019/11/17
おおにしせんせい
おおにしせんせい 作: 長谷川 義史
出版社: 講談社
最近先生の不祥事が多い。中でも先生の間での「いじめ」事件などただあ然とするばかりだ。
 もちろん、そんな先生ばかりではないことは承知している。仕事でみた場合先生という職業が大変だということもわかる。
 しかし、そういった大変さ以上に子どもたちの成長とともにある喜びは何事にも代えがたいのではないだろうか。

 絵本作家の長谷川義史さんは「子どもの頃から絵ばかり描いていた」という。
 そんな長谷川少年を勇気づけたのは「5、6年生のときの担任の先生との出会い」だと、あるインタビューで答えている。
 「図画工作を通して、「考えて物事に取り組む」ってことを教えてくれた方」で、「写実的にきれいに描きなさいっていうようなやり方じゃなくて、見て感じたものを紙に表現しなさい」と教えられたという。
 そんな先生を描いたのが、この絵本だ。

 長谷川少年の恩師がこの絵本の「おおにしせんせい」のようにいかつい顔だったのかわからないが、長谷川少年が小学生だった昭和40年代にはこんな村田英雄(て書いても知らない人が多いだろうが)風の男の先生がいたもんだ。
 ある時自由に絵を描けといわれて、さぼるつもりで学校の廊下を描いた長谷川少年。
 廊下の感触、廊下の音、廊下の匂い。
 長谷川少年は普段見ていた廊下とまるで違う世界を発見する。
 それは、自分が感じる学校の廊下。
 左右両面に描かれた廊下の絵のすごいこと。

 こんな先生に出会えて、長谷川少年はそれから何年かして長谷川義史になる。
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自信を持っておすすめしたい わたしにもそんな<よる>があった                投稿日:2019/11/16
よるなんて……
よるなんて…… 作・絵: デビ・グリオリ
訳: 若林千鶴

出版社: リーブル
絵本というのは「テキスト(ことば・文章)とイラストレーション(図像・絵)で、さまざまな「情報」を伝達する表現媒体」だという。(『ベーシック 絵本入門』から)
 つまり、受け手である読者を幼年期の子どもたちに特定しているわけではない。もちろん、実際はその多くの読者は子どもたちであるのは間違いないが。
 巻末にある作者略歴によれば、「動物を主人公にした温かい絵本」もたくさん描かれているから作者を絵本作家といっていいだろう。
 それに、この本の判型は絵本版といってもいい。
 ただ、この作品は「若い人に向けたうつ病」をテーマにした作品でアマゾンでもランキング上位だという。
 これこそ、「さまざまな「情報」を伝達する表現媒体」という絵本の定義に合致している「絵本」といっていい。

 描かれているのは、白と黒の世界。
 「きりみたい」などよんとしたよるの世界。
 主人公の女の子はそんな夜に襲われて、「むねがどきどきして、おなかもいたくて、」自分ではなくなっていく。
 絵本ではそんな夜がドラゴン<竜>として描かれている。
 女の子はそんなドラゴンから必死で逃げようと試みる。
 「よるなんてこわくない……」
 女の子はそんなよるが「いつかはおわるはず」だとどこかでわかっている。けれど、負けそうになる。
 けれど、彼女は負けない。

 巻末の「作者あとがき」にデビ・グリオリは「私の絵から5人にひとりはいるという、うつ病経験者がどのように苦しんでいるのか」を感じ取ってもらえたらと書いている。
 そんな苦しい夜は「いつかおわる」のだからというメッセージとともに。
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ふつうだと思う これで私も「シンデレラ」?                   投稿日:2019/11/03
シンデレラが語るシンデレラ
シンデレラが語るシンデレラ 絵: 柴田 ケイコ
文: クゲユウジ

出版社: 高陵社書店
 「シンデレラ」といえば誰でも知っている童話で、世界各地でさまざまなバージョンがあるようです。
 現代ではディズニーのアニメや実写版での作品の方が有名かもしれませn。
 昔の日本では「灰かぶり姫」なんて呼ばれたそうですが、深夜12時に魔法がとけてお城にガラスの靴の残して去っていった美貌の姫。
 そう「シンデレラ」といえば、やっぱり美しい女性というイメージがあります。
 でも、もし「シンデレラ」の目から見たお話だとどうなるか、それがこの絵本。
 なので、この絵本には美しい「シンデレラ」を見ることはできません。
 せいぜい手とかスカートのすそばかり。
 ちょうど彼女の額にカメラがついていて、そこから世界を視ている、そんな感じ。
 鏡に映ったところとかあってもいいのに、と思わないでもありませんが。

 この絵本は「1人称童話シリーズ」の一冊で、「もしあの童話の主人公が自らの口で語ったら」というコンセプトで制作されています。
 制作スタッフのコメントが絵本の最後に載っています。
 そこには、主人公の感情は読み手である読者の数だけイマジネーションが存在するはずだから、「子どもたちなりのオリジナルの「心」を想像してもらう」、そしてその「心」から自由に物語を創ってもらいたいという意図があるようです。

 もし、あなたが「シンデレラ」だったら。
 もちろん、継母のいじわるなお母さんになっても、イケメン王子になっても構いません。
 あなたなら何になりますか。
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