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個人レッスン!
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投稿日:2014/07/01 |
ゴーシュはセロ弾きです。
でもあまり上手くはありません。だからいつも、楽長にいじめられていました…
ゴーシュのこと、最初は好きではありませんでした。
だっていつも機嫌が悪くて、まるで音楽に八つ当たりしているようなんですもの…。
けれども読んでいくうちに、どんどん物語に引き込まれていきました。
まるで楽しい音楽を聴いているようで、体中からワクワクしました。
ゴーシュのもとに毎晩やってくる動物たちは、
ねこ、かっこう、たぬき、ねずみ
そしてゴーシュに教えてくれるのです。
力強さ、個性、表現力、気持ち
また一から音楽を見つめ直し、自分自身に向き合い、ゴーシュは人としてセロ弾きとして成長していきます。
「ああかっこう。あのときはすまなかったなあ。おれは怒ったんじゃなかったんだ。」
最後の最後に言った、感謝の言葉。
…やっと、自分の「ドレミファ」を見つけることができたのですね
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神様のプライド
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投稿日:2014/07/01 |
これは…悲劇です。
土神とは文字通り、土の神でしょうか?
土と木は、一心同体。
だったら土神が樺の木を愛したのは、自然なこと…
そして土神と同じように樺の木を愛したのは、きつねでした。
ふたりは、見た目も性格も正反対です。
共通点があるとすれば、孤独…でしょうか
まるで、光と闇。
土神は神だけど、いつも闇の中にいるように感じました。
土神には誰かを愛する純粋な心があるのに、その気持ちがなにかもわからず、苦しんで苦しんでもがいて傷ついて、心を無理に消そうと葛藤するのです。
切なくてもどかしくて寂しくて、もうどうにかなりそうで…土神は泣いて泣いて泣きました。
そんな土神を見て、胸が締め付けらる思いでした。
神様にもちゃんと心があるのです。感情があるのです。
土神を苦しめているのは、神様のプライドなんだと思います。
そしてきつねが自分よりもえらいのだと、またプライドが傷ついて…。
神様の気持ちや立場なんて、きっと誰にもわかりません。
でも土神は神でありながら、自分が本当は何者なのかわからなかったのです。
きつねも、とてもいい子でした。
樺の木の気を引こうと、たくさん本を読んだのではないでしょうか…
おしゃれをして、樺の木を喜ばせようと一生懸命だったのだと思います。
土神は正直者だったけど、素直ではなかった
きつねは正直者ではなかったけど、素直だった
…そしてとうとう心が壊れた神が、罪なき命を奪ったのです。
あまりにも、衝撃的な結末でした。
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共倒れ
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投稿日:2014/06/30 |
洞熊学校を卒業した 、くも、なめくじ、たぬきのその後の一年間の様子と、青い目のはちの様子とを並行して描かれた作品です。
くも、なめくじ、たぬきはえらい目に合っているのに、青い目のはちは花たちと協力して、やがて新しい春の訪れを待つ…と、穏やかに語られているのがおもしろいですね。
結局この三人は、似た者同士だったということです。
競争しても結果は同じ。
そもそも学校とは集団生活での協調性や道徳心などを学ぶところ。
もちろん、競争心も大切ですよね。
でもほんの少しでも助け合う心や思いやりがあれば、もっと楽しく生きれたかもしれないのに…
この三人は一番大切な事を学ぶチャンスを棒に降り、散々な結末になってしまいました。
読み終えて、やはり生きていく上で大切なことは助け合いなんだなぁ…と、しみじみ思いました。
お話の残酷さとは対照的に、絵が可愛らしいのがいいですね。
三人ともとっても卑しい顔をしていて、イメージにぴったりでした。
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夜に電信柱を見上げたい衝動に駆られる
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投稿日:2014/06/30 |
ある晩恭一が目にしたのは、軍歌を歌いながら行進する、電信柱の列でした。
ドッテテドッテテ、ドッテテド
でんしんばしらのぐんたいは はやさせかいにたぐいなし
ドッテテドッテテ、ドッテテド
でんしんばしらのぐんたいは きりつせかいにならびなし
…この発想がもう、さすがとしか言いようがありません。
確かに、規則正しく並んだ電信柱はまるで兵隊だ
夜に行進してたら、どんなに不気味で楽しいだろう
電信柱の兵隊が口ずさむ歌と、軽快なステップ。
そして、黄色い顔のおじいさん。
この人は人間なのかな…?いや、かなり怪しい。
正体はきっと電気だろうな。違うかな…?
これは恭一が経験した、たった数分の出来事でしょうが、グイグイ話に引き込まれます。
結末はハッと一瞬で、霧のようにスーっと消えてしまったような感じでした。
絵のぼんやり感が夜の幻のようで、なんとも言えない不思議な余韻が残る作品でした。
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森と人間の心は離れつつあるということ
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投稿日:2014/06/30 |
自然と人間とが織り成す、なんとも愛しくてたまらない作品です。
「ここへ畑起してもいいかあ。」
「いいぞお。」森が一斉にこたえました。
住む場所を求めてやって来た人間を、森は優しく受け入れてくれる。
狼森の狼、笊森の山男、盗森の黒い大男、そして形はないけどさっぱりした性格の黒坂森。
みんなとても愛らしくて、親しみやすいのです。
森は昔からずっと当たり前の様にあって故郷の様に懐かしく感じるのは、昔の人々が森との関わりを大事に大事にしてきたからなんですね。
最後、黒坂森の岩が言った「そのあわもちも、時節がら、ずいぶん小さくなった」という事こそが、宮沢賢治が今を生きる私たちへ伝えたかったメッセージなんだろうなぁ…と、思いました。
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価値観
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投稿日:2014/06/30 |
ある土曜日の夕方、一郎の元に「めんどうな裁判にきてください」という内容の葉書が届きました。
差出人は、山猫でした。
一体全体どんな裁判なのか興味津々で行ってみると、 黄いろな陣羽織のようなものを着て緑いろの眼をまん円にした山猫が、立って待っておりました。
そしてさっそく、裁判が始まりました。
なんと、めんどうな裁判を起こした張本人は、どんぐりでした。
なんでも、一番えらいどんぐりは誰か?で争っているとか…
これは、確かに難しい問題かもしれないです。
私もえらいってなんだろう?と、思うことありますもの。
山猫が困って一郎に助けを求めますと、とんちのきいたアドバイスで、なんと一分半でこの難題を片付けてしまうのです。
これには…一本とられた!という感じで、私も妙に納得してしまいました。
そのまんまの意味ではなくて、えらいに定義などない、ということですね。いわば価値観。
なるほどなぁ〜と、感心してしまいました。
愉快で可愛らしいお話と絶妙にマッチしたダイナミックな絵が、とても素晴らしい作品ですね。
表紙の山猫からは、「やかましい。ここをなんとこころえる。しずまれ、しずまれ。 」と、うるさく聞こえてきそうです。
こんな微笑ましい裁判でいいの?と、クスッと笑える、愛嬌たっぷりのお話でした。
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雲見は私もすき!
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投稿日:2014/06/30 |
カン蛙、ブン蛙、ベン蛙という名前の、三匹の蛙のお話です。
三匹は年も同じなら大きさも大てい同じ、どれも負けず劣らず生意気でいたづらもの。
顔も見分けがつかないほどよく似ており、いつも一緒だったのです。
三匹は、人間が履いているゴム靴に憧れていました。
…どうやら、好きなものも同じのようですね。
そして、カン蛙が素敵なゴム靴を手に入れた事で、物語はあらぬ方へ展開していきます。
最初は可愛らしいなぁ〜と微笑ましく読んでいましたが、 幸せのゴム靴がこんな災難を招くとは…
蛙にとってゴム靴は、とても価値のあるもの。
でも憧れは手に入れないほうがいいのかも…と、心の底からそう思いました。
「奪うのではなく、壊してしまう」
そこが怖いなぁと思いました。
カン蛙の自慢のゴム靴は、もうボロボロ…
「一人だけいい思いをするなんて、許せない」
ブン蛙、ベン蛙の執着心が、本当に怖かったです。
でも最後は全員仲良く痛い目…いや痛すぎる目にあって、改心したようで本当によかったです。
松成さんのみずみずしいさわやかな絵が、お話の印象をまろやかにしてくれていて、とても読みやすい一冊でした。
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百聞は一見に如かず
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投稿日:2014/06/29 |
人間の兄妹ときつねの子の交友を描いた、とても愛らしいお話です。
「きつねは人を騙す」という誤解を解くため子ぎつねの紺三郎は、雪の日に出会った人間の兄妹の四郎とかん子を、十一歳以下限定の幻燈会に招待します。
…きつねの幻燈会、とてもいいアイデアですね。
大人が言ったこと、学校で習ったことを鵜呑みにせず、自分たちで考え決めることができる。
百聞は一見に如かず、ですね。
新しい絆を作っていってほしい
人間と動物の架け橋になってほしい
それができるのは、純粋な心を持った子どもだけだから…
人間と動物が仲良くありたいという、作者の想いが溢れた作品ですね。
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突然いなくなる
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投稿日:2014/06/28 |
ある死火山のすそ野のかしはの木のかげに、大きな黒い石がありました。
周りの小さな黒い石たちは、それをベゴと呼んでいました。
ベゴ石はとても気のいい火山弾で、みんながベゴ石をからかって馬鹿にしても、決して怒りませんでした。
そんなある日、ベゴ石は研究者の目に留まり標本として大学へ連れていかれる事に…
ベゴ石はきっと、あの場所も、こけすらも好きだったんだろうと思います。
みんなからかいながらも、いつも自分に声をかけてくれる。
そんな日々も、今日でおしまい。
お日様の光や青空、雨のお酒や雪の団子、楽しみにしていた雪の冠。
もう、自然を感じることができなくなる…
ひとりぼっちで寂しい場所へ行くのです。
連れていかれたベゴ石を見て、みんなはどう思ったのでしょう…
今までベゴ石に意地悪言って、散々甘えていたんでしょうね
いなくなってわかる大切さ。
この作品には、そんなメッセージが込められているのかなぁと感じました。
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冬のファンタジー
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投稿日:2014/06/28 |
激しく降る雪、風。
吹雪の中で今まさに消えゆく幼い命を助けようとするのは、冷たい雪を降らせる妖精、雪童子 。
ひゅうひゅうひゅう、ひゅうひゅう。
雪童子たちが巻き起こす雪風はますます強くなり、やがて子どもは力尽き起き上がれなくなります…
それは、あっという間の出来事でした。
やり方は少し乱暴だったけど、夜が明けるとおとうさんが探しに来て、子どもは無事助かります。
「あの子どもは、ぼくのやったやどりぎをもっていた。」
と、泣くようにつぶやいた雪童子。
子どもが離さずにしっかりと持っていた事が、よほど嬉しかったのですね。…優しいね。
冬の厳しさ雪山の恐ろしさを感じながら、最後は心がほっと温かくなる作品。
黒井健さんの透き通った深みのある絵も魅力的な一冊です。
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