![みどころ](/images/shoukai_midokoro.gif)
ぼくの名前はまっくろネリノ。 夜の暗闇に溶け込んでしまうほど、まっくろくろ。
家族はとうさんとかあさん、そして兄さんが4人。 赤や黄色、みんな鮮やかな色のからだをしているんだ。 ぼくがあんまりまっくろだからって、ちっとも遊んでくれないんだ。 時々悲しくなって、ひとり木のてっぺんで考えてるんだ。
「どうしたら、みんなみたいな色になれるのかな」
そんなある日、兄さんたちが行方不明に! 金のとりかごに捕まえられてしまったんだ。 だけど、ぼくなら助け出してあげられるかもしれない……。
真っ暗な背景に浮かびあがる鳥たち家族が、パステルで可愛らしく描かれているこの絵本。目玉のキョロキョロしか見えないネリノだって、とってもチャーミング。だけど本人は、それを受け入れることができません。結局ネリノは、自分の特徴を生かして大活躍をすることで自信につなげていきます。すごいよね、ネリノ。それも一つの方法です。
みんなと違うことを「個性」として受け入れる。これって、なかなか難しい。悲しい気持ちが全くなくなる事だって、ないのかもしれません。ネリノみたいに上手くいかないかもしれません。でもだからこそ、こんな小さなネリノの小さな出来事にも、みんなが触れていくのは大切なことなのかもしれませんよね。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
![出版社からの紹介](/images/shoukai_shuppansha.gif)
まっくろネリノは兄弟の鳥たちにも仲間はずれにされて、いつもひとりぽっち。しんみりと味わい深く、ソフトなパステル画で描く。
![ベストレビュー](/images/shoukai_bestreview.gif)
華やかな色のおにいちゃんたちに比べ、ネリノは真っ黒。いつも仲間はずれにされています。しかし綺麗な色のせいでお兄ちゃんたちが誘拐されてしまいました。
「みんなと同じこと」とか「他人の人と比べて」とか、そんなのはどうでもよくって、みんなと違っててもいい、個性があるって素敵なことなんだ、というメッセージがこめられている、奥深い絵本です。
幼い子でもわかりやすいようにストーリーが展開されているので、5歳の娘もお話自体は理解できたのですが、このメッセージをどこまで理解しているのかは不明です。5歳なりの解釈で心に届けばいいかなと思います。そしてもう少し大きくなって読み返した時にその年齢なりの感じ方をしてくれたらいいなと思います。
ぱっと見は地味だし、娘の反応はどうかな?と思いつつ与えてみましたが、ネリノがお兄ちゃんたちを探して助け出すというストーリーがわくわくするようです。
黒色の背景にきれいなパステルの絵が栄えて、色彩感覚がすてきだと思います。
(みいここさん 30代・ママ 女の子5歳)
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