![みどころ](/images/shoukai_midokoro.gif)
クリスマスに男の子の家に来たのは、ビロードでできたうさぎのぬいぐるみ。男の子は毎晩うさぎと一緒に寝たり、一緒に遊んだり、それはそれは大事にしてくれたのです。ぼろぼろになってもうさぎは幸せでした。それは「男の子のほんもののうさぎ」になったと感じていたから。ところが別れは突然やってきて……。うさぎの考える「ほんもの」とは? そしてうさぎの身におこった奇跡とは?
古典的名作と言われ、世界中で愛されてきたお話「ビロードうさぎ」が絵本に。酒井駒子さんの描く、つぶらな瞳で今にも動き出しそうなぬいぐるみ、そのぬいぐるみと男の子との愛らしい触れ合いの場面。いつまで眺めていても飽きることはありません。切ないけれど、しっかりと前を向くことのできるこのお話。子どもたちの心にもきっと響くはずです。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
![出版社からの紹介](/images/shoukai_shuppansha.gif)
ある日、ぼうやのもとにやってきた ビロードのうさぎ。 たくさんのおもちゃにかこまれて 部屋のすみで小さくなっていたうさぎは 「子どもに愛されたおもちゃは いつかほんものになれる」 ことを知ります。 やがて、ぼうやといっしょにすごすようになった ビロードのうさぎに まほうがおとずれて…。
![ベストレビュー](/images/shoukai_bestreview.gif)
「ほんもの」って何?
おもちゃにとっての「ほんもの」って?
値段の高いおもちゃや機械仕掛けのちょっとこったおもちゃは、我こそ本物だと自信満々。
でも、ウマのおもちゃが教えてくれます。
心から大事に思われ、子供の本当の友達になったおもちゃが「ほんもの」だと言うことを。
長い年月がたち、古くなり、ボロボロになったとしても。
そして、ビロードのうさぎは、たしかに、その「ほんもの」になりました。
毎日、ぼうやと一緒にすごし、汚れてボロボロになったビロードのうさぎを見て、
「どこがいいんだろ、こんなきたないおもちゃ」
と言ったお手伝いさんのナナに対して、
「この子はおもちゃじゃないの、ほんとうのうさぎなの」
と言ったぼうやの言葉が印象的です。
「ほら、お人形さんが落ちてるよ。」
と言った私に、
「お母さん?これはお人形さんじゃなくって、マリちゃん。ちゃんと名前で呼んであげて。」
と言った娘の言葉を思い出しました。
子供にとって、大切なおもちゃは、ただのおもちゃではなく、人格を持った友達そのもの。
いつも友達と一緒にいる心地よさ。
そして、いつもいつも一緒にいるだけで幸せだという気持ち。
大切なおもちゃと遊んだ思い出。
それは、大きくなっても、どこか、心の芯の部分に、暖かい気持ちとして残っていくんだろうな、と思う絵本でした。 (たかくんママさん 30代・ママ 女の子7歳、男の子4歳)
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